登場人物も増えてきたので、現段階での設定を書いておきます。
私自身の時間的な制約もあるのですが、純粋に「ツール」の技術的な制約からも作れそうにないシーンがたくさんあり、ストーリーを整理する意味もあって「覚え書き」風に書き出してみました。まだ登場していないキャラもいますし、画像での登場予定が全くない人物もいます。解釈の一助になればと思っていますが、逆に、わからなくなることもありえます。
以下、ほんの一部分の例外を除いて、各種名称はフィクションです。
The Axions
ソロでも演奏できるレベルの楽才がある女性を募って結成されたロック系バンド。プロデューサーの水月が秘かにフュージョンの復興を狙っていることもあって、アドリブや独奏パートが多いのが特徴。ボーカル無しの曲も十分にこなせるため、病欠が出てしまったバンドなどから臨時の出演を要請されるメンバーもいる。
白鳥 京子
「The Axions の女帝」。関係者やファンからは「京子様」、アンチからは「愛人京子」と呼ばれている。京子が押し掛けて「同居」している相手・水月 鏡は正式には結婚していないので「愛人」とされるのは言葉として正しくないのだけれど、京子にとって甚だ不本意なことに、周りからは、鏡の「最愛の女」と思われていないのも事実。なぜ「同棲」としないのかというと、映恋も同居しているからで、なかなかそれらしい展開に持ち込めないという事情があるため。
趣味 料理。 ……、(^_^;)
柊 愛里沙(ひいらぎ ありさ)
真面目な努力家。The Axions に加入したのは朱音や夏美よりも後なのだが、年齢は京子と同じ。実社会で働いていた経験があることもあって、少しズレているメンバーたち(かなりズレている、と評される者もいる)から何かと悩みの相談を持ち込まれ、気苦労が絶えない。
一人だけ、センターヴォーカルの曲がない。それは、きつめの美貌とやさしく愛らしい地声とのギャップが大きすぎて、わざとらしく聞こえてしまうのを本人が気にしているから。京子から「アイドルコスを着せて、夏美と一緒にセンターで歌わせれば、かわいいし似合うと思う」と言われたこともあるのだが、それを聞いた途端に当人が怖気をふるってしまい実現していない。
『STAR STREAM ―Cross Fade―』では、京子にそそのかされて、夏美に同行して金髪に染めてみた。胸元のボタンを3つ外して外出したことさえなかったので、ボタン4つも外しての撮影が気になってしかたがない状態。
海棠 朱音(かいどう あかね)
一言で言うならば「やる気がなかった天才」。本気を出させれば、京子に並べるだけの素質も実力もあると関係者が口を揃えていた逸材が、最年少で途中加入した映恋の指導を任されたことで自分自身をも見つめ直した結果、ようやく本領を発揮し始めた。
茅野 夏美(かやの なつみ)
メンバー中、唯一「かわいい路線」で突っ走れる可能性がある人物で、容姿は The Axions で一番という自負もある。ただ、要所要所でなぜか同期加入の朱音に先を越されてしまうため、同期として応援したい気持ちもあるのだが、それなりに屈折したものを抱え込んでもいる。年齢は朱音より一つ上。
水月 映恋(みなづき エレン)
プロデューサー・水月 鏡の養女。連絡が取れなくなってしまった両親の生存を信じたいという思いもあって、鏡を「オジさま」と呼んでいる。「超」が付くほどの「オジさま」コンプレックスなので、当然ながら、京子が大嫌い。
君ヶ瀬 理乃(きみがせ りの)
水月 鏡の「元カノ」とされている神出鬼没の美女(本人曰く〖おとなしくて謙虚な美少女〗)。ただ、双方共に交際に関するコメントを一切していないので、実際のところがどうなのかは京子ですら知らない。共にアイドルグループにいた頃、くすぶっていた京子を後に「女帝」と称されるレベルにまで短期間で鍛え上げた(文字通り、叩き上げた、という説もある)先輩で、京子が心底怖れている唯一の人物。
二刀を使える古武術の達人で、寮生活をしていた映恋を「見習いシスター」と称して護衛していた時期があり、映恋には「理乃姉(リノねぇ)」と呼ばれ慕われている。鏡に内緒で、映恋が前島くらら社長と会えるように段取りを付けたのはこの御方。
車の運転が「とんでもなく下手」なのに、運転中、かけている曲は安藤正容『Moon Over The Castle』‼ 鏡とメンバー全員から、その曲だけはやめた方がいいと忠告されている。助手席に同乗した(させられた)ことがある後輩たちが、二度と同乗しようとしないことは事務所関係者の間では有名で、未だ、違反切符を一度も切られたことがないのは「令和の奇跡」と言われている。内部の噂では、京子は車を降りてから呆然と佇んでいた後、歩道に崩れるように跪き、両手を握りしめ天を仰いで「生きてるって素晴らしい!」と絶叫したとされているし、愛里沙にいたっては助手席で目を見開いたまま失神していて、両親が医師だった関係で応急処置の知識がある京子や仕事を終えて帰宅途中のマネージャーが急遽呼び戻され、大変だったとされている。
その他、The Axions 関係者
前島 くらら
The Axions が所属する音楽事務所〖Star Stream〗の社長。大手レーベルから出向してきている才女で、本社では「次期副社長では」との声も少しある。
高校、大学とバンドを組んで本気で音楽活動をしていたのだけれど、メンバーに恵まれず、というかメンバーが定着せず、メジャー・デビューどころか、学内でのイベントを除いてはどこにも出場できず、何度かを忘れてしまうぐらいの数の挫折を経験している。「バンド仲間とは絶対に寝ない」と明言してメンバーを募っていたにもかかわらず、くららを巡ってメンバー間のトラブルが絶えず、大学在籍中だけでもギターリスト13人、ベーシスト19人、ドラマー9人、キーボーディスト7人が半年ももたずに入れ替わった。
卒業直前、進路に迷っていた時、知人の楽器店オーナーから現在の会社(本社)が追加で事務員数名を募集していることを聞き、就職を決めた。そこで出会って結婚した平社員が、後に副社長になる大物の一人息子だったことから、社内の派閥争いに絡んで部長クラスの管理職に大抜擢された。長くても2ヶ月程度の臨時の部長職だったはずが、幅広い人脈を駆使した真摯な働きがCEOの目にとまり、任期が半年、一年と延長され、気がつけば「社内随一の実力者なのでは」と評されるまでになっていた。彼女の「幅広い人脈」は、実は学生時代のバンド仲間が中心で、彼女の足を引っ張ってばかりだった連中が、今や霞ヶ関の官僚や大企業(特にメディア)の幹部になっていたというのが大きい。
くららと水月 鏡は同じ学部の先輩後輩で、理系学生だけからなる「第三文芸部」という、各人が好きなミステリー作品について御託を並べるだけのしょうもないサークルが縁で親しくなった。くららがバンド仲間たちに襲わた時、鏡が助け出したことがあり恋人になりかけたこともあったが、現在に至るまで男女の関係になったことは一度もない。鏡は高校三年の時、周囲も本人もそのつもりだったピアニストになる道を捨てて以来、「音痴」を自称して音楽と距離を置いた生活をしていたので、大学で鏡と知り合ったくららは後々まで彼がピアニストとして並外れた名手であることを知らなかった。今考えてみると、気がついて当然だったシーンがたくさんあったことに思い当たり、業界に身を置く人間として、鏡に対しても自分に対しても忸怩たる思いを持っている。「鏡が自分のバンドにいたら、どんな人生だっただろう」という思いは心の片隅で燻り続けている。
現在の最大の悩みは、映恋が加入した経緯を夫から聞いてしまった中学生になる一人娘が The Axions に本気で入りたがっていること。いまさらながら、映恋の加入に消極的だった鏡の気持ちがわかり、少しだけ後悔している。
姫谷 史佳(ひめたに ふみか)
美貌の社長秘書。前島くらら社長の同郷の後輩で、派遣で掃除婦をしていた仕事先でくららに「拾われた」元・助教。水月 鏡の大学での最初の教え子の一人。
実家の倒産・破産危機に、提示された大金に目がくらみ、事実無根の事件をでっち上げて水月 鏡を売った張本人。鏡が大学を追われた直後、彼女に話を持ちかけた理事や監事、学部長たちによる「太陽-地球系ラグランジュ・ポイント国際宇宙望遠鏡プロジェクト」にからむ巨額の横領が露見、摘発され、連座してしまった彼女もまた大学を追われた。結局、彼女の実家は多額の不渡りを出して破綻し、実刑こそ免れたものの、彼女も社会的な地位と信用を失い、日雇いの仕事で糊口をしのぐしかなくなってしまっていた。風俗に身を落としそうになったこともあったが、怖くなって逃げ出した経験がある。
くららが今の音楽事務所へ社長として出向することが決まり、本社から同行する秘書として指名された時、再三辞退を申し出たのだが許されず、くららに「自分がやらかしたことぐらい、自分でしっかりと片を付けなさい」と諭され、覚悟を決めて来たのだけれど、鏡から過去の話を出されることは一度もなく、彼女もどうしていいかわからず、何ともあやふやな毎日が続いている。ただ、当時のことを知っている映恋には、口もきいてもらえないほど徹底的に嫌われている。
「好きをこじらせてやらかしたんだから、いっそのこと愛人にでもなったら」と酒が入ったくららに揶揄われたこともある。「もっとも、ライバルは若いうえに強敵ばかりだけどね」とも。
氷上 水希(ひかみ みずき)
かつて、アイドルグループで理乃や京子と「センター」を争っていた大人びた美少女。天才肌で人づき合いが下手な京子にとっては、さりげなく居場所を作ってくれる優しい先輩、理乃にとってはライバルというよりは親友だった。
リハーサル中、照明装置の真下にいたため部品の落下に気づけず、間に1人置いて斜め後ろにいた理乃がとっさに突き飛ばしてくれたおかげでケガ一つなく助かったのだが、その事故で理乃は予期せぬ方向から跳ね返ってきた砕片で片目を失明してしまった。結果、直近の公演は中止、グループは活動停止状態になり、練習にも出ずらくなってしまった折も折、理乃のお見舞いに行った病院で突然意識を失って倒れた。単なる疲労だと思ったのだけれど念のため精密検査を受けてみたところ、治療法が確立していない病、それも進行していて手術もできない(手術する意味がない)状態が見つかった。不運な偶然から、看護師と母親のやり取りを聞いてしまい、余命が半年もないことを知ってしまう。当初は気丈にふるまいもしていたのだが、次第に心のバランスを崩し、行動も性格も歪んでしまった。理由がわからないのだが、病院を抜け出しては、理乃の恋人・水月 鏡に会いに行き、人目を気にすることなく、なりふり構わず誘惑する行為が問題となり、ほどなくしてグループを追われた。
早朝の海岸で、初めて約束して鏡と合った時、彼の目の前で倒れた。以後、一度も意識が戻ることなく、一月足らずで世を去った。
小澤 響(おざわ ひびき)
氷上水希の妹。異母妹なので姓が異なっている。実母を早くに亡くしたため、氷上家に引き取られて育った。義母との関係は良くないのだが、他に兄弟姉妹がなく、年も適度に離れていたので水希との姉妹仲はとてもよかった。二人そろって同じアイドルグループで活躍するのが夢だった。
当時、小学5年だった響は、水希が心身共に病んでいた時期に直接会う機会をほとんど持てなかったこともあって、姉の死をめぐる事実とは大きく異なる扇情的なゴシップ報道をそのまま信じ込んでしまい、姉の不幸な死は「水月 鏡にもて遊ばれて、捨てられたせい」だと本気で思っている。
水希の死以降、氷上 響(ひかみ きょう)という、もう一つの人格を持ってしまった。
水月 鏡(みなづき きょう)
異色の経歴を持つ音楽プロデューサー。本人には自覚がないのだが、関係者の間ではなぜか「変人」として有名。
上記の壮大な宇宙望遠鏡プロジェクトの前段階として、まずは地球-月系の5つのラグランジュ・ポイントに望遠鏡を設置する初期計画の責任者の一人だった。映恋の両親とはこのプロジェクトで知り合い親しくなった。
大学を追われ、地方の私立高校に勤務していたとき、そこで学園を仕切っていた1年生・君ヶ瀬理乃と出会わなかったならば、おそらくは仕事として音楽に関わることなどなく、一研究者に戻っていたと本人も周囲も思っている。
拒みきれず、水希の最期に立ち会ってしまった結果、彼女が残した願いの実現という難題に縛られてしまっている。愛している女がいたとはいえ、目の前で倒れ、不条理と孤独を抱え込んだまま燃え尽きていく命を、腕の中で死なせてあげなかったことが正しかったのか、良かったのか、今でも結論を出せないでいる。